MRIで異常なしと言われたが腰が痛い
腰椎椎間板ヘルニア腰痛・坐骨神経痛
2020年2月27日
先日の症例です。
腰痛で病院を受診し、レントゲン撮影の後MRIを撮りそれでも特別異常は認められなかったが腰とお尻が痛いという方が来院されました。
ご本人は20代の時に「椎間板ヘルニア」を患っており、坐骨神経痛などの症状も前回と似ているのでまたそれではないかと感じていました。
腰椎椎間板ヘルニアとは?
「ヘルニア」とは「飛び出す」という意味で、腰椎と腰椎の間にある「椎間板」の中の「髄核」が「線維輪」を破って飛び出すことを「腰椎椎間板ヘルニア」と言います。
椎間板ヘルニアは突出具合により3つに分類されます。
1.膨隆型
最も多いタイプで痛みは腰に限定される事が多く、「椎間板症」とも呼ばれます。
痛みやしびれがお尻まで及ぶ事がありますが、太ももやふくらはぎの方まで及ぶ事はほぼありません。
また「バルサルバサイン」と呼ばれるせきやくしゃみをすると腰が響くという症状があります。
2.突出型
痛みがふとももや足の方まで及んでいます。
MRIで5㎜から8㎜ほどの突出が認められます。
3.椎間板が飛び散ったもの
この段階になると腰痛は消え、ふとももや足の痛みやしびれが強くなります。
MRIに写らない椎間板ヘルニアとは?
1の膨隆型では完全に飛び出している訳では無いので、画像ではっきり分からない事もあります。
ではなぜ痛みが出るのでしょうか?
それは「線維輪」の周りに「脊椎洞神経」という神経がありこれが膨隆を感じて痛みを引き起こすことがあります。
線維輪はバウムクーヘンの様になっていて全部で約15層になっています。
このうち外側の2,3枚に脊椎洞神経がいます。
これが脊髄の「後根」(こうこん)という部分に入って脳まで神経が上がり痛みを感じます。
ここでは詳しい説明は割愛しますが、「関連痛」と呼ばれるものが起き腰痛を感じます。
先ほどの説明にもある通り、椎間板ヘルニアの中でも膨隆型は最も多いタイプですので、こういった症例はたくさんあります。