分離すべり症って何?
腰椎椎間板ヘルニア腰痛・坐骨神経痛
2020年2月6日
先日の症例です。
「分離すべり症」によって足の痛みを引き起こしている方でした。
分離症とは?
背骨の「椎弓」(ついきゅう)という部分が分離してしまうもので、背骨を安定させる事ができない為そこだけ背骨が前にすべってしまいます。
これを「分離すべり症」と言い、このパターンが多くなります。
またレントゲンを撮ると「テリアネックサイン」という骨の裂け目が確認でき、その縁の部分は骨同士が当たるので白くなっています。
(骨は当たるとそこに骨の密度が増し、レントゲンで真っ白になります。)
すべり症とは?
背骨が直ぐ下の背骨に対して前や後ろにずれてしまうことを言います。
レントゲンの横から撮った写真で判断します。
すべり症には様々な原因があります。
1.変性すべり症→いわゆる加齢変化で起こります。
2.分離すべり症→背骨の椎弓という部分が分離してしまい、分離した方がずれてしまいます。
3.先天性すべり症→生まれつき背骨の一部分が長い方がいて、結果的にすべり症を起こします。
合併症は?
脊椎分離症は5個ある腰椎の中でも第5腰椎に多く発症し、分離すると大抵は前側にすべってしまいます。
その時に骨と骨の間あるクッションの役目を果たす「椎間板」も一緒に引き連れて行きます。
すると椎間板に斜め方向の力がかかり、「線維輪」と呼ばれる部分に亀裂が入ります。
亀裂が入るとそこに「髄核」というゼリー状のものがそこに入ってきて「椎間板症」を引き起こします。
分離している骨のすぐ上の椎骨に起こりやすいので、一番起こりやすい第5腰椎で分離すると第4-5で椎間板症を発症しやすくなります。
すべり症は重症度を5段階で評価して、すべり症が起きている場合はかなりの確率で椎間板症を起こすとされています。