すべり症は治るの?

本日このような質問を受けました。

重症度によって状況が変わってきますのでご説明します。

すべり症とは?

背骨と背骨には接触面が左右2つあって、その部分を「椎間関節」と言います。

何らかの原因で背骨がずれてしまったものを「すべり症」と呼び、そこから「脊柱管狭窄症」へと発展し腰痛や坐骨神経痛を引き起こします。

すべり症にはどんなものがあるの?

すべり症は全部で3種類あります。

1.変性すべり症

いわゆる加齢変化に伴って椎間関節の軟骨部分がすり減って起きます。

2.分離すべり症

小学生や中学生の成長期に激しい運動をしている場合に起きます。

分離すべり症が分かった場合には6ヶ月間のコルセットをして骨癒合を期待しますが、実際には試合に出たいからと言ってしない事が多い様です。

大人になってからでは既に遅いので、その後苦しむ方がいらっしゃいます。

3.先天性すべり症

先天的に背骨の椎弓(ついきゅう)という部分が長い方がいらっしゃいます。

※他にも腫瘍や感染によって骨が破壊された場合も起きることがあり、通常は前にすべっていきます。

重症度の見極め方は?

マイヤーディング法という方法を使ってすべりの度合いを判定します。

すべっている骨のすぐ下の骨を4等分して、どれくらいずれているかを見ます。

リハビリや手技療法で治療することを「保存療法」といい、すべり症の場合はⅠ度まででしたら保存療法の適応とされています。(Ⅱ度はギリギリのラインです。)

治療法は?

当院ではSOTブロックやアクチベーターという道具を使って骨のわずかなズレを解消して良い位置に戻す事は可能です。

しかし根本に対してアプローチする場合には体幹トレーニングが必要になります。

具体的には「多裂筋」や「回旋筋」といった深層筋を鍛える事で、すべりを極力抑えるという方法を取ります。

手術になったら?

すべり症がかなり進行して手術となる場合ももちろんあり、その場合は背骨と背骨の間に骨を移植してスクリューで固定します。