生理の時に腰が痛いのはなぜ?
腰痛・坐骨神経痛
2020年1月15日
先日の症例です。
生理の時に決まって腰が痛くなるそうで、何とかしたいと来院されました。
なぜ生理の時に腰痛が起こるの?
生理になると子宮や卵巣から「リラキシン」というホルモンが出てきます。
(妊娠中も後期頃から出始めます。)
このホルモンは腰の「仙腸関節」という部分に働いて、関節を安定させている靱帯を緩めます。
本来出産時に産道を確保するのに必要なものですが、出産しなくても毎月出されるので
その場合は弊害が起きてしまいます。
仙腸関節とは?
いわゆる骨盤で「仙骨」と「腸骨」からなる関節です。
整形外科では動かない関節とされていますが、カイロプラクティックでは前後左右に4°の可動域があるとされています。
(ほとんど動かないけど少しだけ動くという事です。)
この関節の上に背骨が乗っかっているので、腰痛に深く関係していると考えます。
腰を曲げたり伸ばしたりする時には骨盤も少しだけ動いていて、これを「腰椎骨盤リズム」と言います。
例えば腰の動きが悪ければその分骨盤にしわ寄せが来ますし、その逆もまた然りです。
靱帯が緩んで痛くなる理由は?
仙腸関節は前後から挟まれる様に「仙腸靱帯」という靱帯で補強されていて、ここが緩むと様々な事が起きます。
1.グラグラを止めようとしてお尻の筋肉が張ってくる。
特に「梨状筋」という筋肉が張って、これが更に腰痛を引き起こすことがあります。
2.これが繰り返されると軟骨同士がぶつかり骨が硬化します。
レントゲンを撮るとその部分が真っ白に写ります。
3.さらに悪いことはグラグラした所にいわゆる骨盤矯正が行われることです。
骨盤がずれているからと理由でグラグラした部分に、骨ポキを行うと傷口に塩を塗ってしまいます。
どんな症状が出るの?
次の様な症状が出ます。
・腰の下の方でやや左右にずれた部分が痛い。
・痛い部分を指させる。
・その部分がプニプニしている。
→関節に含まれる「滑液」という液が炎症で増えて表面に漏れてくるため。
・立っている方がいくらか楽。
→骨盤はくさび型をしているので、立っている方が重力がかかって安定するため。
・お尻が張ってくる、だるい。
→安定性を補う為、お尻の筋肉が身代わりになって収縮して安定させてくれます。特に「梨状筋」
・股関節の動きが悪い、痛い。
・そけい部が痛い。
→関節を止めている「前仙腸靱帯」が緩むとそけい部が痛いと訴えます。これは奥の方で起こっているのでそけい部が痛いと思ってしまうからです。
これらが主な症状です。
当院での治療法は?
1.SOTブロックを骨盤に挟んでご自分の体重でゆっくりと正しい位置に戻します。
2.鍼や電気治療で張ってしまった筋肉を緩めます。
3.靱帯にある感覚受容器に対してアクチベーターで刺激し、再びずれない様に安定性を持続させます。