交通事故の後から吐き気がする・・・
2019年12月18日
交通事故の後、何日か経ってから吐き気がする方がいらっしゃいます。
これは様々な可能性がありますが、延髄に対して刺激が入って起こる事があります。
延髄って何?
「延髄」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、具体的には何をする所なのでしょうか?
延髄は様々な機能の中枢があります。
・循環
・呼吸
・嘔吐
・嚥下
・唾液分泌
これらの人間が生きていく為の重要な機能の中枢がこの延髄に集まっています。
そして延髄は後頭部付近に位置するので交通事故によって影響を受ける部位です。
そのメカニズムは?
まず交通事故で首が振られると頚椎の1番目と2番目をつなぐ靱帯が損傷されやすくなります。
この靱帯の名前を「環椎横靱帯(かんついおうじんたい)」といいます。
靱帯は骨と骨をつなぐバンドの役割を果たすので、靱帯が損傷すると安定性が失われて骨がずれやすくなり、
ずれると後頭部付近にいる延髄にも刺激が入り、嘔吐や吐き気を催します。
このずれはレントゲンを撮影し、損傷を示す「ADI」という基準値を割り出して判断します。(小さいですが下図の★で示した所です。)
豆知識
関節リウマチやダウン症の方は環椎の構造が変わってくる為、今回ご紹介した延髄の刺激症状が起こる事があります。