神経学的検査ー筋力検査
腰椎椎間板ヘルニア腰痛・坐骨神経痛
2019年11月3日
腰痛の患者さんが来院された時に必ず行う検査として神経学的検査というものがあり、全部で3つ行います。
1.筋力の検査
2.感覚の検査
3.反射の検査
筋力検査は腰の場合は足の親指を伸ばす筋力(長母趾伸筋)で診ます。
理由は次の通りです。
坐骨神経は第4~5腰神経と第1~3仙骨神経で構成されていて、腰痛の多くの原因を占める椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などはほとんどこの辺りで起きます。
そして神経の根元に問題を起こす事が多く、これを神経根障害と呼びます。これが起きると坐骨神経は足の方まで延びているので、足の筋力が落ちたり感覚が落ちたり(逆に過敏になることもあります。)します。
足の親指を反らせる筋力は第5腰神経が支配して動かしていて、第5腰神経は一つ上の第4腰神経と一つ下の第1仙骨神経と脊髄洞神経(下図参照)のいうもので連絡しています。
ですので第4、5仙骨神経と第1仙骨神経のどこが悪くても、中央にある第5腰神経に支配される長母趾伸筋に筋力の低下として現れます。
これは「スクリーニング」といって腰に何か問題があるかどうかをふるいにかける目的で検査して、問題がある場合にはここから更に原因を特定していきます。
ふすま等のちょっとした段差につまづく方はこれが起こっている事があります。