むち打ち
交通事故治療
2018年5月23日
交通事故で訴える症状で一番多いのがむち打ちです。むち打ちにも色々ありますが、その一例です。
◎頸椎捻挫
首に大きな力がかかった時になります。ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツやスノーボードでも多く、首の痛みや頸椎を支えている大きな筋肉(胸鎖乳突筋、僧帽筋、板状筋)に張り感が出ます。しかし実際に損傷を受けている深層部にある小さな筋群です。(棘筋、半棘筋、回旋筋、頚最長筋、頭長筋)
大きな筋肉が損傷される前に小さくて弱いこれらの筋肉が損傷されるのですが、痛みや張りは表層にある大きな筋肉に出ます。その理由は筋性防衛(muscle guard)です。小さな筋肉は損傷を受けて、そうすると炎症が起きて一連の経過をたどります。急性期に無理に刺激すると火に油をしまうのでここは落ち着くまで待ちます。ただ大きな筋肉にはアプローチできます。当院ではクラニオセイクラルセラピーという頭蓋骨を軽く触る施術を行います。とてもソフトなので事故後の痛みに敏感になっている方でも大丈夫だと思います。具体的には頚静脈孔という所を開きます。これは後頭骨と側頭骨で作られる孔です。ここに僧帽筋や胸鎖乳突筋を支配する副神経などが通りますので、頚静脈孔を開くことで神経の流れの改善を図ります。
また痛いと体はこわばり、こわばると筋肉が張ります。筋肉が張るとまた痛みが出てしまい、痛みが痛みを呼ぶ悪循環に陥ります。ブロック注射をする本来の目的もこの痛みの悪循環を断ち切る事にあります。頚部においては一番奥にある後頭筋群が張ると筋緊張性頭痛(大後頭神経痛)も起きる可能性があります。クラニアルは感情を司る前頭葉(前頭骨)に対して行う手技もあり、自律神経系への好影響もありますので、特に事故後の心身共に参った状況では適した施術法の一つだと考えています。動脈は内膜、中膜、外膜の三層構造で中膜に交感神経が行っていて血流をコントロールしています。緊張状態では交感神経優位で血管は収縮し、当然筋肉を栄養する血液の供給は低下します。