筋緊張性頭痛

頭痛の原因の一つである筋緊張性頭痛についてご説明します。

デスクワークやスマホなどで首回りの筋肉が張る後頭下神経(第一頸神経後枝)を圧迫します。この後頭下神経は後頭下筋群と呼ばれる頚部の深層筋と頭棘筋頭半棘筋へ分布しており、後頭下神経が圧迫されることでこれらの筋肉も緊張し次の事が起こります。


頭棘筋と頭半棘筋の間から大後頭神経(第二頸神経後枝)が抜けています。大後頭神経は頚部から頭頂部までの頭皮に分布していて、緊張状態の筋肉に挟まれ後頭部から頭頂部へかけて頭痛が起きます。大後頭神経の枝が耳の後ろへ行っている為、その辺りがピリピリする方もいらっしゃいます。また顔面部は三叉神経という脳神経が支配しています。前からの三叉神経と後ろからの大後頭神経が頭頂部よりやや前のあたりで吻合し、ここにも圧痛点が出ることがあります。

 

→後頭下筋群とは大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の4つを指し、これらで後頭下三角というスペースを作ります。ここに椎骨動脈という脳へ行く血管が通ります。左右の椎骨動脈が合わさり脳底動脈となり脳へ血流を送ります。後頭下筋群が過緊張を起こしスペースが狭くなる椎骨動脈も圧迫され、脳への血流が低下頭痛めまい色がぼやけて見えるなどの症状がでます。

 

※パソコンやスマホの画面をのぞき込むと、頭を引き戻そうとして後頭下筋群は張ってきます。その後は上記の機序で頭痛が起こることがあります。この様な方は概して猫背の事が多いのでその場合はそちらの治療も行います。

また以前眼鏡の度数が合っていないために画面を無意識に頭が前へ出てしまい頭痛を引き起こしていた方がいらっしゃいました。この方は眼鏡を作り変えたらそれだけで良くなったことがありました。

 

当院では次の様な治療を行います。

  1. 超音波や鍼で筋肉全体を緩める
  2. クラニアルというソフトな施術で後頭下筋群などの深層筋を緩める
  3. 同じくクラニアルで僧帽筋という大きな筋肉を支配する副神経の出どころとなる頚静脈孔を開く
  4. 圧迫された神経は浮腫を起こす事があり、触れるとつぶつぶしています。あればニューラルマニュピレーションでリリースします。
  5. 頸椎の関節面を触診し動きの悪い箇所があれば、アクティベーターで調整します。