変形性関節症で膝が伸びない時
その他
2018年4月18日
膝の痛みで代表的なものに変形性膝関節症があります。膝の痛み(内側が多いです)はもちろんですが、最後まで膝が伸びない方あるいは曲げられない方も多く見受けられます。その原因の一つとして膝の周りを包んでいる関節包の動きが悪い事が考えられます。
膝が伸びないとなぜだめかというと、本来膝が完全に伸びるとロックして筋力を使わずに伸展位の状態を維持できます。このメカニズムをスクリューホームメカニズムといいます。逆をいうと膝が伸び切らないと常に筋肉を使わなければならないので負荷がかかり、筋肉が張ることでさらに膝に負担がかかります。また大腿四頭筋の一部は骨盤(下前腸骨棘)から起始しているので腰痛の原因にもなり得ます。
関節包は筋肉とつながっておりこの筋肉の働きが悪いと関節包がうまく伸びません。この筋肉を膝関節筋といい、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の中の中間広筋の一部でちょうどお皿の上端部にある小さな筋肉です。この部分を膝蓋上陥凹といい膝の伸び縮みに対応出来るように少し遊びがあります。膝を曲げていき80度を超えた所で伸張し始めます。ですので膝が90度くらいまでしか曲がらない場合は癒着を起こしている可能性があります。(膝関節筋は筋収縮を介してこの癒着をふせいでいます。)
ここに対して癒着を取る目的でアクティブリリースという筋膜リリースを行い、超音波や鍼治療を行い筋肉を緩め、それを介して関節包の伸びを良くするというアプローチを行います。(鍼を深く刺しすぎると関節包の中に入ってしまう可能性があります。関節包の中は血流がなく細菌感染を起こしやすいので深刺しはしません。)また大体四頭筋の中の内側広筋という筋肉のみを鍛える必要があります。この時スクワットをすると四頭筋全部を筋肉が鍛えてしまいかえって痛くなることがあります。内側広筋は最終伸展の30度で働きますので、そこだけ特異的に負荷がかかるようなチューブトレーニングを指導致します。