バイク事故での転倒時に痛めやすい場所
交通事故治療
2018年4月9日
バイク事故で手を着いた際にけがをしやすい場所として、手首以外に上腕骨の大結節の剥離骨折があります。(肩の真横からやや前方にあります。)手を着いた時に下から突き上げる力と肩の骨との間に挟まれ、そこにいる棘上筋の腱がくっ付いている大結節が剥離骨折を起こします。事故直後はレントゲンに移りにくいので、レントゲンを撮って骨には異常ありませんと言われ、痛みが引かずMRIを撮ったら骨折が判明した方を何人か見たことがあります。
柔道の受け身等でも起きやすいです。
当院では次の様に検査します。
- 音叉(128Hz)を当てて痛みがないか。折れていた場合は骨膜(骨を覆っている膜)が振動されると激痛が生じます。同じ理由で超音波をかけていて痛みがあれば骨折を疑います。
- 大結節のある場所を押して圧痛がないか
- 腕を横に上げてもらい(外転)痛みが出るか、耳まで上げられるか。
- 1~3までが大丈夫だった場合、棘上筋に負荷をかけて大結節に痛みが出るか。(ジョーブテスト)→痛みが出た場合はけん引をして上腕骨と肩甲骨の間に隙間を作り痛みがあるか。
これらを総合的に判断します。
因みに手を着いた時に痛めやすい場所が他にもあります。
- コーレス骨折(手首の少し肘よりの所)
- 橈骨頭骨折(肘のあたり)
- 肩鎖靭帯損傷(肩と鎖骨を止めている靭帯) 剥離骨折と併発することが多いので注意して診ます。
またバイクのバンパーが股関節に当たると、後遺症として大腿骨頭虚血性壊死を起こす可能性があるので問診でその様なことがあれば股関節も検査します。