交通事故
交通事故治療頭痛首・肩の痛み
2024年1月21日
年末の大雪で交通事故の方が数名いらっしゃいました。
むち打ちは後から症状が出る事が多く、また症状が多岐に渡ることから
しっかりと治療する事が必要だと考えます。
●むち打ちとは?
元々は飛行機でのむち打ちが発症であくまで総称です
●むち打ちでどんな症状が出る?
1位:頭痛
2位:首の痛み
3位:めまい
3.事故の衝撃でどこを傷める?
下のイラストをご参照下さい。
最も損傷を受けやすいのが5番目と6番目の頚椎の間です。
背骨を縦に繋いでいる棘上靱帯(きょくじょう)が事故の衝撃で縦に振られた際に傷つきます。
次いで多いのが後頭骨(頭蓋骨)と1番目の頚椎の間で、衝撃でくさびを打ち込んだ様にはまり込んでしまいます。
その他にも頭痛、めまい、手のしびれ、顎関節症、腰痛などがあります。
※ここからは少し詳しい説明になりますのでご興味のある方はご覧下さい。
・頭痛
先ほど説明した後頭骨と第一頚椎が位置異常を起こすとそこに付着する筋肉達が過収縮を起こします。
間の説明は省きますが、それらの筋肉によって「大後頭神経」が圧迫されて頭痛が起きます。
これを「大後頭神経痛」と言います。
この神経は100%感覚を司る神経で後頭部の表面がピリピリした感じの痛みが出ます。
また、眼から来る三叉神経の第一枝である「眼神経」と頭頂部付近で吻合(くっつく)するため、眼の奥が痛い事もあります。
・めまい
さまざまなタイプがありますがその一例です。
上のイラストに「椎骨動脈」という血管があります。
椎骨動脈は頚椎の両脇から後頭部で1本になって脳の中へ入っていきます。
後頭部の筋肉が過収縮を起こすと血管も血流を阻害されめまいが起きます。
※2017年に新たなめまいとしてPPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)が定義されました。
特徴は長期間に渡って浮いている感じや不安定な感じがする事です。
統計上、女性(40から60代)、ストレスや不安感が強い方に多いとされています。
また交通事故などの外傷の後にも起こるとされていますので、事故の後にめまいがする場合は注意が必要です。
治療法は病院ではSSRIと呼ばれる抗うつ薬が出されるかと思います。
これが第一選択の治療法です。
それでも改善しない場合には当院で行うアキュスコープやクラにオセイクラルセラピーも効果があるかも知れません。
SSRI・・・セロトニンという神経伝達物質を脳内に増やす為に、吸収させない薬です。
パキシル・ジェイゾロフト・レクサプロ・ルボックスなどがあります。
・手のしびれ
むち打ちでもっとも損傷の受けやすいのが頚椎の5.6番目です。
頚椎からは神経が出ていて、5番目と6番目の間から出る神経は他の神経達と束になって、手まで行きます。
よって5.6番目の頚椎が損傷を受けると手のしびれが起きることがあります。
具体的には「頚椎症」が多いです。
靱帯が損傷された事で不安定となり頚椎同士が擦れます。擦れると軟骨が減り神経の出所が狭くなったり、安定させる為に骨の棘ができてそれが神経を圧迫します。
事故後少し時間が経ってから出る事が多いです。
理由は痛みなどの心理的ストレスによるくいしばりによるものと「顎口腔システム」の乱れがあります。
※首の筋肉は顎と連鎖して動き、これを「顎口腔システム」と言います。
これも様々な原因がありますので特徴的なものを紹介します。
●横隔膜の過収縮による腰椎前弯の減少
一見関係無さそうな首と腰ですが次の様な関係があります。
横隔膜(焼き肉でいうハラミ)は筋肉です。
筋肉には必ず神経が通っていて、横隔膜を支配している横隔神経は頚椎の3.4.5番目から来ています。
事故の衝撃で頚椎やその周りの軟部組織が損傷されて神経障害が起こると横隔膜が過剰に収縮を起こします。
横隔膜は右脚・左脚という部分が腰椎の2.3番目にくっついているので、腰椎の弯曲が減少しバランスが崩れる事で腰部の張りや痛みを感じる方がいらっしゃいます。
●まとめ
自身の経験上からもむち打ちは直後よりも少し落ち着いた頃に発症する事が多いですので、
むち打ちを甘く見ずにしっかり治療する事が大事だと考えます。