せき・くしゃみで響いたら要注意

腰痛や坐骨神経痛で来院される方に問診で必ず聞く事あります。

それは

「せきやくしゃみをした時に腰に響いたり、ピリッと来ますか?」

という内容です。

せきやくしゃみで響くということを専門用語で「バルサルバサイン」と言います。

腹筋を使う事で背骨の間にある「椎間板」に圧がかかり、その中にある「髄核(ずいかく)」が押し出され神経に当たります。

椎間板ヘルニアでよく見られる症状で、これがあるかどうかが症状の重さを測る指標となります。

髄核が脊髄神経や脊椎洞神経に当たると腰そのものが痛かったり、坐骨神経に沿ってピリッと痛みが走ります。

坐骨神経は腰から出て太ももの裏を通りふくらはぎから足へと走行しています。

この髄核はゼリーの様な材質をしています。(正確にはコラーゲン線維とプロテオグリカンというムコ多糖体で構成。)

ゼリーには「親水性」といって水分をため込む性質があり、特に寝ている状態で重力がかからない時に顕著になります。(朝身長が高いのはこの為です。)

つまり朝起きた時には椎間板はパンパンに膨らんだ状態ですので髄核が出やすく、せきやくしゃみで響きやすいです。

結論

・腰痛の原因で多い椎間板ヘルニアの代表的な症状に「バルサルバサイン」というものがあり、それの有無によって症状の進行度がある程度判断できる。

また治療の過程でこれが無くなれば症状が緩和されていると判断し、治療のペースを空けたり治療を終了したりする。

・椎間板に含まれる「髄核」が神経にあたることで痛みが起き、朝に多く見られる。

これは寝ている状態で重力がかからないと髄核が水をため込んでパンパンになるためで、少しの圧力でも飛び出して神経にあたるからである。