腰痛+股関節痛
腰椎椎間板ヘルニア腰痛・坐骨神経痛
2020年7月20日
先日の症例です。
ぎっくり腰で来院された方で、腰痛はもちろんの事そけい部にも痛みがあるという方がいらっしゃいました。
腰痛+股関節痛で考えられるのは次の3つです。
1.仙腸関節捻挫
「腸骨」という腰骨と背骨の一番下の「仙骨」という骨のつなぎ目の部分を「仙腸関節」と言います。
この部分には関節を安定させる役割の「仙腸靱帯」が前後から関節を固めていて、
「前仙腸靱帯」
「後仙腸靱帯」
と言います。
通常は後ろ側が痛むのですが、前仙腸靱帯を損傷する場合はそけい部付近にも痛みを訴えます。
2.殿部の筋の張りによって股関節の隙間がせまくなる
腰痛の原因で多いものとして
「腰椎椎間板ヘルニア」
「脊柱管狭窄症」
が挙げられます。
これらはどちらも神経症状を引き起こす可能性があり、坐骨神経にそって様々の症状が出ます。
坐骨神経は足の筋肉の多くをコントロールしていて殿部の筋肉もその一つです。
したがって、
椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症→坐骨神経に影響→殿部の筋肉の張り→股関節がつまる→股関節痛
という流れが起きます。
3.「腰椎・骨盤リズム」
前屈みになったり体を反らせたりする時には腰だけでなく、骨盤もわずかに動いています。
これを「腰椎骨盤リズム」と言います。
腰が痛くて腰椎の動きが悪くなり結果骨盤に負担がかかる場合、仙腸関節に痛みが出ます。
また骨盤の動きが悪くなってその代償として腰椎に負担がかかる事もありますので、腰椎と骨盤は表裏一体の関係となっていて、腰痛の患者さんを診る際には必ず仙腸関節もチェックします。
4.女性ホルモンの「リラキシン」の影響
女性の生理時の腰痛で多いものです。
生理になるとリラキシンをいうホルモンが体内に放出され、出産時に産道を確保する為に骨盤を固定している仙腸関節を緩めます。
出産の時はこれで良いのですが、普段は安定性を欠くため痛みが出ます。
腰痛に股関節がある場合、以上の様な原因が考えられます。
腰と股関節はセットで診察・治療していきます。