「坐骨神経痛」とは?
腰椎椎間板ヘルニア腰痛・坐骨神経痛
2020年5月29日
最近「坐骨神経痛」のお問い合わせがありました。
病院ではわかりやすく「坐骨神経痛」という表現をしますが、
これは症状を言っているので、治療するにあたって
「何から来る坐骨神経痛か?」
を考える必要があります。
いわば頭痛と言っている様なもので、頭痛にも
・筋緊張性頭痛
・偏頭痛
・群発性頭痛
・薬剤性頭痛
・脳血管疾患
など少なく見積もってもこれだけあります。
同じく坐骨神経痛の原因も大きく3つあります。
1.椎間板ヘルニア
背骨と背骨の間にあるクッション(椎間板)が潰れて、中にあるゼリー状の髄核(髄核)が飛び出て神経に当たって坐骨神経痛が起きます。
若い人に多いです。
2.脊柱管狭窄症
脊髄が通る「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫されて坐骨神経痛が起きます。
一般的に加齢変化でなります。
脊柱管狭窄症の原因はさらに次の様に分類されます。
・すべり症(先天性、分離すべり症、変性すべり症)
両方の足に出ることが多いのが特徴です。
・黄色靱帯が厚くなる
脊柱管の内側を覆う「黄色靱帯」が加齢変化で厚くなり神経の通り道を狭くします。
・椎間関節が大きくなる
骨というのは刺激を受けると増殖します。詳しい説明は今回は省略しますが、加齢で背骨のつなぎ目が刺激されそこが大きくなり神経を圧迫します。
・圧迫骨折
尻餅やせきくしゃみで起きます。
骨粗しょう症があると起きやすく、骨密度は女性ホルモンと関係しますので、閉経後の女性ではこれを注意深く診ます。
「いつのまにか骨折」と言われるくらい、ご本人も心当たりがないこともあります。
3.梨状筋症候群
これは実際にはあまり多くはなく、お尻の筋肉が張って坐骨神経を圧迫してしまい起きます。
稀に生まれつきの梨状筋症候群の方がいらっしゃいます。
筋肉が裂けていて、そこから坐骨神経が出ているので収縮すると坐骨神経痛が出ます。
(その場合はすねの外側に出ると決まっています。総腓骨神経が圧迫されるため)
まとめ
少なくともこれだけの原因から坐骨神経痛が起きます。
これだけ分類する理由はそれぞれ治療法が違うからです。
原因が分かれば対策を立てやすくなりますし、その逆も然りです。
患者さんは「足がしびれる」といった訴えしか出来ませんので、そこから検査、問診をして答えを導き出す作業が我々の仕事です。
現在ではインターネットの情報で色々と載っていますが、重症な場合は一筋縄では行きません。
時には手の打ちようがない症例がある事も事実ですし、他の手段の方が早いこともあります。(手術・ブロック注射など)
その時には全てお話した上でどうするかを一緒に考えていきます。