肩が上がらない原因は首にある?
交通事故治療首・肩の痛み
2020年4月7日
現在肩が挙がらないと通院中の方で大分挙がる様になりましたが、ある所で改善が停滞してしまいました。
一通り治療して良くなっても最後の痛みが取れない時には首に原因がある事があります。
最初に行う事は?
初診では先ず肩の関節の動きをチェックします。
肩を構成する関節は1つではなく全部で4つあります。
1.肩甲上腕関節→一般的にいう「肩」です。
2.肩鎖関節→鎖骨の外側の端の関節
3.胸鎖関節→鎖骨の内側の端の関節
4.肩甲胸郭関節→肩甲骨と胴体の間の関節
※2.3.4も解剖学上は肩に含まれます。
治療の第一段階はこれらの関節が正しく動いているかをチェックし、動きの悪い所にはアクティベーターという器具を用いて調整します。
第2段階の治療は?
軽度の痛みならば関節が正しく動けば改善しますが、症状が長引いている方や重い方はこれだけでは完全に治りません。
その場合には首の治療に入ります。
理由は肩周りの筋肉は首から出る神経にコントロールされているので、首が悪いと神経にも影響し末端の筋肉が張ってきます。その結果肩が上がりにくいという症状が起きます。
肩関節の大事なメカニズム
肩がスムーズに動かせる様に人間が持っているメカニズムがあります。
それが次の2つです。
1.骨頭引き下げ
腕を上げていった時に肩甲骨と上腕骨の隙間が狭くなっていき、その間にある腱などが挟まれてしまいます。
これをぶつからないように上腕骨を下に引っ張ってくれる筋肉達がいます。
・大円筋
・肩甲下筋
これらはどちらも「肩甲下神経」という神経にコントロールされていて、この肩甲下神経は頚椎の5番と6番から出てきます。
つまりこの辺りに問題があると巡り巡って肩の痛みとなって現われることがあります。
2.ウィンギング
読んで字のごとく肩甲骨が鳥の羽の様にパタパタと動きます。(わずかです)
これもやはり腕を挙げていった時に肩甲骨と上腕骨が当たらない様に肩甲骨側が後ろにズレていってくれます。
(肩を90度以上挙げた時に働き始めます。)
この動作を行っているのが「鎖骨下筋」という筋肉で、「鎖骨下筋神経」という神経がコントロールしています。
鎖骨下筋神経もまた頚椎の4番や5番から出ているので首の影響を受けます。
首の中でも5番や6番は悪くなりやすい
頚椎は全部で7つあります。
その中でも構造上第5頚椎と第6頚椎は悪くなりやすいです。
ちょうどそこから肩周りの筋肉に行く神経が出ている為、首と肩は1セットにして診る必要があります。
また交通事故でもこの場所が最も損傷を受けやすい事が分かっています。
(下のイラストの〇で囲った部分です。)