胃潰瘍に痛み止めを飲んで良い?
自律神経の不調
2020年4月6日
胃潰瘍なのですが手持ちの薬が無いのでロキソニンでも大丈夫ですか?と質問をされました。
これはかえって胃の痛みが増してしまいますので注意が必要です。
理由は?
ロキソニンやセレコックスなどは「シクロオキシゲナーゼ」(COX)という酵素の働きを阻害することで炎症による痛みや発熱を和らげてくれます。
しかしここで重要なことがあります。
COXには「COX-1」と「COX-2」があり、
COX-1・・・胃粘膜を保護してくれる
COX-2・・・けがをして組織が傷ついたときに増えて炎症を起こして痛みや発熱を起こす
つまりCOX-2だけ抑えてくれれば良い所を、一緒に胃粘膜を保護してくれているCOX-1をも阻害してしまいます。
その結果胃壁を自己消化してしまいかえって悪化してしまいます。
どうすれば良いの?
胃の痛みを解消するには胃酸の分泌を抑える必要があります。
それには2種類の薬があります。
PPI・・・プロトンポンプインヒビターの頭文字で胃酸を分泌する「プロトンポンプ」を阻害します。
ネキシウム、オメプラール、タケキャブ、タケプロンなどがあります。
H2ブロッカー・・・胃壁の細胞にある「ヒスタミンH2受容体」というものをブロックします。
先ずはPPIが第一選択の薬になります。
保険の関係上、PPIは胃潰瘍で8週間、十二指腸潰瘍で6週間までと決まっていますので、長期に渡って服用する場合にはH2ブロッカーが使われます。
※「再燃を繰り返す逆流性食道炎」に限って長く使うことが出来ます。