危ない頭痛

頭痛の原因はさまざまですが、時に診断を誤ると死に至ってしまうものもあります。

これらは鍼灸院の適応外ですので、診察をして疑われた場合には専門の病院へ受診することを勧める必要があります。

どんなものがあるか?

脳梗塞・・・脳の血管が狭くなりそこが閉塞してしまうタイプと、血栓が脳血管を塞いでしまうタイプがあります。

さらに細かく次の様に分類されます。

1.アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって血管がどんどん狭くなっていき、血管の壁に血小板がこびりついてさらに狭くなり最終的には閉塞しておこります。

TIA(一過性脳虚血発作)という一時的に麻痺や言語障害が起こりその後回復する症状があることもあります。

この場合片方の手足がしびれてきます。

2.心原性梗塞

「心房細動」という不整脈があると心臓の中で血液のよどみが出来て血栓が生じ、それが血液に乗って脳の血管を閉塞させます。

3.ラクナ梗塞

ラクナとは「湖」、「水たまり」という意味でCTを撮るとあたかも脳の深いところの梗塞部分が水たまりの様に見える事からこの名前がつきました。梗塞自体は小さいですが、手足の運動を司る部分が障害されるので麻痺が重くなる事があります。

4.慢性硬膜下血腫

雪道での転倒や交通事故などで頭をぶつけて1ヶ月から2ヶ月して発症します。

脳を包む硬膜と脳の間の隙間に血が溜まり、それが血腫となって脳を圧迫します。

脳が萎縮しやすい高齢者に多く見られやすく、転倒して頭をぶつけた際に起きやすいです。

頭痛や歩行障害の他、精神症状(認知症)が見られます。

簡単なチェック方法

危ない頭痛を羅列してきましが、これだけではなかなか判断が難しいかと思います。

そこでこれらを簡単に調べる方法として「FAST」と呼ばれるチェック方法があります。

F(face)・・・「イー」と言いながら片方の口角が上がらなかったりゆがんでいる

A(arm)・・・前ならえの姿勢から手のひらを上に向けて、腕が落ちてきたり内側に回ってくる

S(speech)・・・ろれつが回らない

T(time)・・・F,A,Sが1つでも当てはまれば、症状が起こった時間を記録してすぐに救急車を呼ぶ

脳卒中は発症してから治療が早ければ早いほど、救命の可能性高まり後遺症の程度にも影響してきます。