首の痛みはどんなものがあるの?
交通事故治療首・肩の痛み
2020年4月1日
一口に「首が痛い」と言ってもその原因は多岐に渡り、今回は原因として多いものを挙げます。
頚椎椎間板ヘルニア
25歳を過ぎると年齢と共に椎間板の水分が抜けてくるので30代以降は椎間板ヘルニアは少なくなると言われています。しかし若い頃に椎間板の線維輪に亀裂が入りながらも何とか無症状で中年、老年期に入り何かの弾みで突然発症することがあります。
また加齢に伴い椎間板から水分が抜けて高さが減少した場合にはわずかな膨らみでも神経に影響を与えます。
近年ではスマホやパソコンの普及により、長時間首を曲げた状態でいる事が多く椎間板障害の原因となっています。
頚椎椎間板ヘルニアは第5と第6頚椎の間で起きやすく、年齢が高くなると第6と第7の間で発生しやすくなります。
これらは神経の束になって肩周りや肘、手の方へ広がって行くため、この辺りの痛みやしびれとして症状が出ることもあります。
変形性頚椎症(脊柱管狭窄症)
通称「頚椎症」と呼ばれ頚椎の変形によって痛みや神経症状が出ているものを指します。
第4と5頚椎の間と第5と6頚椎の間から出ている第5、第6頚神経が障害されます。
先に書いた様にこれらの神経は肩、肘、手に延びているので首が原因でこれらに影響が出る事があります。
また脊柱管狭窄症は更に分類されます。
・すべり症
骨と骨のつなぎ目は軟骨になっています。膝の軟骨がすり減る様に頚椎の軟骨もすり減っていきます。すり減った部分は隙間が出来て緩くなってしまい「すべり症」が起きます。前方あるいは後方にすべります。
・骨棘(きょく)による神経刺激
加齢によって椎間板から水分が抜けてぺちゃんこになると今まで骨を止めていた靱帯が緩んできます。これではいけないということで人間は急遽骨を作ってその隙間を埋めていきます。特に「終板」という部分が骨が出来やすくその骨がとげの様に見えるので骨棘と言います。
骨棘の近くに神経がいるので神経を刺激してしまうものです。
・椎間関節の肥大
あまり多くはありませんが背骨と背骨のつなぎ目の部分が刺激を受けて大きくなってしまいます。
・その他特殊なもの
後縦靱帯骨化症や黄色靱帯骨化症も稀に見受けられます。
特に「後縦靱帯骨化症」は日本人に多いとされており50代以降に多いです。
私自身も数例見たことがありますが、首が回らないと言って来院されました。
首をつなぐ靱帯が骨になってしまい骨化が起こった部分は1つの骨になりますので可動域が減ってきます。
特にじわーっと止まるのでなく、かつっと止まります。
ここに首ポキを行うと大変な事になる可能性が高いですので、そういった方には鍼やオステオパシーというソフトな施術で対応します。
頚椎椎間関節症
背骨と背骨のつなぎ目を「椎間関節」(ついかんかんせつ)と言います。
この部分には痛みを感じ取る「C線維」というセンサーがあります。
特に関節を包んでいる「関節包」や軟骨の部分に含まれていて、関節包が引っ張られたり軟骨が圧迫を受けると痛みを感じます。
伸展と言って上を向く動作をした場合に痛みが出やすくなります。
頚椎捻挫
交通事故やスポーツ(スノーボードやコンタクトスポーツ)でよく見られます。
・棘筋
・半棘筋
・回旋筋
・頚最長筋
・頭長筋
などの小さな筋肉が衝撃で傷付き痛みが出ます。
この時「筋性防衛」と言って表面の筋肉がバリアーを張って固くなる事があります。
・胸鎖乳突筋
・僧帽筋
・板状筋
これらがよくなる筋肉です。
交通事故でよく見受けられます。
鑑別診断
これらが日常よくあるものです。
原因によって治療法が異なる為、問診や検査を行って鑑別していきます。