坐骨神経痛は悪化するほど下に広がっていきます。

先日の症例です。

腰椎椎間板ヘルニアと診断されて坐骨神経痛が足首の方まで広がっていました。

坐骨神経とは?

坐骨神経とは背骨の脇から神経が出ていて、第4、5腰神経とその下の仙骨神経の1~3までがまとまって一本の坐骨神経となります。

坐骨神経は人間の体の中で最も長い神経で約1メートルほどあり、また太さもお尻の辺りの一番太い所で親指の太さくらいあります。

検査する時は神経が分布しているエリアの感覚を診たり、足の力がしっかりと入っているかである程度の障害箇所が判断できます。

坐骨神経痛とは?

坐骨神経は腰から出て太ももの裏を通り、その後膝裏→ふくらはぎ→足まで行っています。

その為その経路のどこかで神経が障害されると「坐骨神経痛」が起きます。

※坐骨神経痛とは症状の名前を言っているだけで診断名ではありません。例えば「頭痛」と言っている様なもので、頭痛にもいろいろな原因があります。

同じく坐骨神経痛にもさまざま原因があり、その一つが「腰椎椎間板」ヘルニアです。

坐骨神経痛が悪化すると足の方まで下りてきます

通常は腰痛→お尻の痛みとなってこの段階で受診される方が多いです。

しかしもっと悪化してふくらはぎや足の方まで痛みやしびれが広がってくるとかなり具合が悪く、治癒までに数ヶ月を要す事が多いです。

また長患いすると神経と周りの組織との間で癒着が起きます。

特に多いのが下の図ので囲った箇所です。

これで何がわかるの?

治っていく時は逆に足の方から膝→太もも→お尻という風に上がっていくパターンが多いです。

これは坐骨神経痛の重症度をみる上で大事なポイントになりますので問診で必ず聞く事です。

足の方にまで広がっていると直ぐに治るという事は現時点では考えられません。

かといってそれっぽい理由をつけて「とりあえずしばらく通って下さい」という無責任な事も言えません。

患者さんはいつ頃治るのか、そもそも良くなるのかとても不安に感じているはずですので、

それに対してどれくらいの期間でどこまで持って行けるかの大体の見通しを伝える様にしています。

その際に坐骨神経痛がどこまで広がっているかはポイントになります。

場合によっては手術を勧めることもあります。