すべり症による腰部脊柱管狭窄症
腰痛・坐骨神経痛
2019年3月16日
最近来院された方の症例です。
約5年前から腰痛と坐骨神経痛が発症し、整形外科で第4腰椎のすべり症との診断をされました。
その後だましだましやって来ましたが最近痛みが酷くなってきました。
立ち仕事の為、夕方頃になると特に具合が悪くなり、最初はお尻までだったしびれが太ももやふくらはぎまで広がってきています。
現在は整形外科でもらったリリカとロキソニンを服用されているとの事でした。
解説
腰部脊柱管狭窄症の原因は多岐にわたります。
1、黄色靭帯の肥厚
2、変性すべり症
3、骨棘
4、圧迫骨折
今回はすべり症によるものですので、これについて書きたいと思います。
腰の骨は5個あって、左右に関節のつなぎ目があります。これを椎間関節と言います。
ここは膝の軟骨がすり減る様に、加齢とともにすり減ってきます。
するとグラグラと緩みができて通常は前の方にすべっていきます。
これを変性すべり症と言います。
すべり症にもいくつかあり、スポーツ少年がなりやすい分離すべり症や元々生まれつき椎弓という部分が長い先天性すべり症があります。
当然すべりの度合いが大きい程症状は重くなり、これを評価する方法をマイヤーディング(Meyerding )分類といい、4段階で評価します。
・下の骨に対して4分の1ズレている⇒1度
・半分ズレている⇒2度
・4分の3ズレている⇒3度
・1個分ズレている⇒4度
保存療法の適応は1度までとなり、それ以上は手術が必要になります。半分以上ずれていると生活がままならないレベルです。
レントゲンを確認したところ1度でしたので、当院での治療が可能とお伝えしました。
現在5回の治療を行いしびれはほぼ無くなり、腰の痛みはまだある状態で改善が見られています。
今後は次のステップとしてご自宅での腰痛体操とすべりを止めるための簡単な体幹トレーニングを行いさらに改善を図っていきます。