足の痛み①
その他
2018年5月20日
最近暖かくなってきてウォーキングやランニングをする方が増えてきていて、それに伴い足の痛みで来院される方が増えています。何回かに分けて書いていきます。
まず足の構造ですが次の様に分けます。
◎足を構成する骨
- 前足部(フォアフット):第一~第五の基節骨、中節骨、末節骨、趾骨(足の甲より先の部分)
- 中足部(ミッドフット):舟状骨、立方骨、内側・中間・外側楔状骨(足の甲の部分)
- 後足部(リアフット):踵骨、距骨
◎足を構成する重要な関節
- 距腿関節:脛骨、腓骨、距骨で構成され、(いわゆる足首の部分)この関節は底屈・背屈といって曲げ伸ばしのみを行い左右へは動きません。(内反外反)また周囲に靭帯があって足首の安定性を高めます。底屈は45度、背屈は20度動きます。
- 距骨下関節:距骨と踵骨で作られる関節でこの関節が内反外反を行います。歩行時にこの内反外反が正しいタイミングで行われるかが重要になります。内反外反ともに20度の可動域があります。内反外反にさらに二つの動きが加わったものを回内回外といい歩行時に重要になるためこの動きはよく診ます。
◎アーチ
足にはアーチと呼ばれる構造があって土踏まずを構成して、着地時の衝撃の吸収や力を分散させています。アーチは内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つあり、これらの一部あるいは全部がつぶれると足底筋膜炎やアキレス腱炎などがおきます。偏平足も起きやすくそういう方は足の第2趾の所が当たるのでタコ(胼胝、べんち)ができて固くなっています。
※因みに足の指の軸は5本あるうちの真ん中である第3趾ではなく第2趾が軸になりますのでそこがアーチが落ちるとそこが当たります。
◎歩行(歩行周期)
足が地面に着いている時期を立脚相、離れている時期を遊脚相と言います。
・立脚相(全体の65%)
踵が地面に着いて時をヒールストライクといい足は回外位になります。
足の裏全体が地面にペタッと着いた状態をフラットフットといい回内位になります。
最後つま先で地面を蹴り上げる事をプッシュオフあるいはトゥーオフといいまた回外位に戻ります。
・遊脚相(全体の35%)
両方の脚が地面に着いている状態を両側支持期といい全体の約20%です。
回外状態では足の骨がロックといって固くなるため、最初の着地や最後蹴り上げる時には都合の良い状態です。対して回内はというと逆にフニャフニャになります。これはロックが外れる為で足の裏全体で地面を掴むことができるので適した状態です。
★回内=外反+外転+背屈 ⇒小指を上に上げる動作
☆回外=内反+内転+底屈 ⇒親指を上に上げる動作
これが捻挫などの外傷であったり、ランニングやジャンプをたくさん行うとこれらの骨が動き過ぎ(ハイパーモバイル)あるいは動かなすぎ(ロッキング)が起き正常な足の動きが失われ痛みを引き起こします。また併せて膝や腰に痛みが出る方も多いので足の治療は重要だと考えます。特に腰は下部腰椎からでる坐骨神経を介して下肢の筋肉を支配している為、悪循環ができてしまう為問診や検査は腰も含めて行います。
概要はこのようになります。次回からもう少し詳しく書ければと思います。