訪問治療
当院のご紹介腰痛・坐骨神経痛
2018年5月10日
当院では通院困難な方に対して訪問治療を行っています。患者さんは杖を使ってやっと歩行できたり、足のしびれで数分の歩行も困難な方もいらっしゃいます。
通常は問診・検査の段階で関節可動域や神経学的検査などをするのに動いて頂くのですが、それらが難しい方に対してはバイタルサイン(生命兆候)を用いて客観的に評価します。
バイタルサイン
- 血圧
- 脈拍
- 体温
- 呼吸
- 意識レベル
これらは様々な病の兆候をを示すのですが、今回は運動器に限って足のしびれが神経性か血管に由来するものかを判断する際の血圧の測定方法を示します。
まず、高齢者の脚のしびれで代表的なものが脊柱管狭窄症です。すべり症や黄色靭帯の肥厚などで脊柱管や神経の出口にあたる椎間孔が狭窄し、しびれや痛みがでます。これは神経由来で、脊柱管狭窄症の典型的な症状として間欠性跛行があります。これは歩いているとしびれや痛みで歩行できなくなるのですが、しばらく座っていると再び歩行が可能になるという症状です。
そしてこれと同じことが血行不良によっても起き、これを慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)と言います。動脈の内膜に脂質が沈着して粥状硬化(アテローム硬化)して血管の内腔が狭くなります。粥状硬化は下肢の動脈に起こりやすいので上腕動脈の血圧と後脛骨動脈(または足背動脈)の比率で動脈の閉塞や狭窄を推定します。
ABI(Ankle-Brachial-Index)・・・足関節の収縮期血圧÷上腕の収縮期血圧
0.9以下だと閉塞や狭窄の疑いがあります。(正常値:1.00-1.29)
1.3以上の値を示すことがあり、糖尿病や人工透析を受けている方ででます。これは動脈が石灰化している可能性を示唆しています。(足関節より中枢よりで石灰化が多いため)その場合は足趾との比で診ますが専用の測定機器が必要なので可能性を頭に留めて診察します。
その他にもおくすり手帳の確認やご親族からの情報を伺ったり、後脛骨動脈と足背動脈の動脈の拍動を蝕知したりしてどちらかあるいは両方ともあるかを総合的に判断します。