交通事故の後めまいや頭痛が出るようになった

交通事故にあってしまった方の中にこの様な症状を訴える方がいらっしゃいます。これについては自律神経への影響によるものなど様々な原因が考えられます。今回は頸椎が7つあるうちの一番上(環椎)と2番目(軸椎)がずれないように止めている環椎横靭帯の損傷の可能性について書きたいと思います。この靭帯が損傷すると環椎と軸椎の間がグラグラになってしまい以下の場所を刺激してしまいます。


  1. 延髄・・・循環、呼吸、嘔吐、嚥下、唾液分泌など人間の生命維持に関わる大事な中枢が多くあります。環椎のすぐ上に延髄がある為、ここを刺激してしまい吐き気がでます。
  2. 椎骨動脈・・・頸椎の両側に横突起という出っ張りがあり、そこに横突孔という穴が開いています。ここを椎骨動脈が上行して左右が合わさり脳底動脈になり脳へ血液を供給します。環椎と軸椎の間がグラグラなので、椎骨動脈が引き伸ばされ脳への血液の供給が下がりめまい頭痛色がぼやけるて見えるといった症状が起きます。また中には引き伸ばされて血管が攣縮(けいれんの様な感じ)することもあります。
  3. 間接的に環椎と軸椎に付着している筋肉(後頭下筋群という一番深層にある筋肉)が張ります。それらの間に挟まれる大後頭神経(第2頸神経)が圧迫され頭痛(大後頭神経痛)が起きます。

検査:環椎を後ろから前へ押すと、症状が悪化しますのでその様な症状が出ないかをチェックします。

レントゲンで環椎と軸椎の間隔(ADI)おとなで3mm以上こどもで5mm以上あると環椎横靭帯の損傷の可能性があります。患部への強い刺激は延髄や動脈を刺激してしまう為、注意を要します。当院ではクラニオセイクラルセラピーアクティベーター(詳しくは施術説明をご覧ください)といった施術でなるべく体への負担やリスクを減らす様に心掛けています。