腰椎圧迫骨折
腰痛・坐骨神経痛
2023年11月23日
これから雪が降ってきて尻餅をついてケガをする方が多くなります。
その時に多いのが「腰椎圧迫骨折」と「大腿骨頚部骨折」で、稀に「慢性硬膜下血腫」が起きます。
今回は腰椎圧迫骨折について説明します。
●腰椎圧迫骨折とは・・・
別名「いつの間にか骨折」と呼ばれ、折れたご本人も気付かない事があります。
(何かの機会に腰のレントゲンを撮ったら折れていたというケースが多いです。)
もっとも多いのは胸腰移行部と呼ばれる腰と背中の境目辺りで、ここは背骨のカーブが変わる所で負担がかかり折れやすいです。
背骨の前側が折れやすく、複数箇所で折れた方は見た目で分かるほどで、亀の様に背中が丸くなります。(専門用語で亀背といいます。)
また、整体で無理な矯正を行って起こる事もあります。
●どんな人が折れやすい?
・骨粗鬆症の方
閉経を迎えた女性は骨量が減少し折れやすいです。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌低下はカルシトニン(骨吸収を抑制するホルモン)と腎臓での活性型ビタミンD合成を減少させます。
つまり骨を壊す量が多く、作る量が少ないという事です。
検査は専門の病院でYAM法という測定方法で若い人に比べて70%あれば大丈夫です。
・若いときに無理なダイエットをしていた方
骨を蓄える時期に無理なダイエットをしていた方は骨量が少ないので折れやすいです。
・ステロイドを使用している方
ぜんそく、リウマチやその他の病気でステロイドを使用している方は骨折しやすくなります。
※ちなみにステロイドの正式名称は「糖質コルチコイド」ですので、血糖値が上がるため糖尿病も起きやすくなります。
・卵巣を取った方
卵巣がんなどで卵巣を取った方
・くる病(骨軟化症)
昔は日光の少ない東北地方などではいたそうです。(今の日本にはほとんどいません)
※ビタミンDは紫外線にあたると活性型ビタミンDになって腸でのカルシウムの吸収を促進します。
・がんの骨転移
多いのは肺がん(20.6%)と乳がん(18.7%)で、その他には腎臓がん(7.3%)、前立腺がん(7.1%)、胃がん(5.4%)、肝臓がん(5.4%)と続きます。
転移性骨腫瘍は血流に乗って転移して、腕や脚の骨や背骨に多発します。
●治療法は?
3ヶ月ほど安静にします。
手術はBKPというやり方があり、折れた背骨をバルーンを入れて膨らまし骨セメントを入れますがあまりやらないと思います。
その前にそもそも折れないように骨粗鬆症と診断された場合には薬を服用します。
ビスフォスフォネート、テリボン、フォルテオ
などがあります。
圧迫骨折はレントゲンだけでは分からない事もあるため、疑われる場合にはMRIを撮って判断する事をお勧めします。