腰痛って結局何種類あるの?

本日受けた質問です。

テレビなどでヘルニアや脊柱管狭窄症、ぎっくり腰などの名前を聞きますが結局のところ腰痛って何種類あるんですか?と質問されました。

腰痛は主に7つに分類します

1.椎間板症

背骨と背骨の間のクッションが潰れて中から「髄核」というものが飛び出して神経に当たって痛みが出ます。

比較的若い方に多く見られます。

2.脊柱管狭窄症

脊髄が通っている脊柱管が様々な原因で狭くなり、中を通っている神経が圧迫され痛みやしびれが出ます。

一般的に加齢変化で起きるものですので70歳くらいから多くなります。

「脊柱管狭窄症」は更に4つに分類されて、その原因により同じ脊柱管狭窄症でも治りの善し悪しに関係してきます。

・黄色靱帯の肥厚→脊柱管の中を覆う「黄色靱帯が厚くなり、神経の通り道を狭くします。」

・すべり症→背骨同士が接する所は軟骨で年齢と共にすり減ってきます。すり減るとグラグラと安定性が無くなりすべり症が起きます。

・椎間関節の変形

・圧迫骨折

 

3.仙腸関節捻挫

腰骨と仙骨という真ん中の骨のつなぎ目に張っている靱帯が損傷されて痛みがピンポイントで出ます。

関節は前の方にもあるのでそけい部の痛みを訴える方もいらっしゃいます。

 

4.椎間関節症

背骨と背骨のつなぎ目の部分を「椎間関節」と言い、そこを包んでいる「関節包」や軟骨部分には痛みを感じ取る「C線維」という神経があります。ここに腰を反って圧力がかかるとC線維が感じ取り痛みが起きます。

 

5.腰椎捻挫(筋筋膜症)

俗に言う「ぎっくり腰」です。「多裂筋(たれつきん)」という筋肉や「回旋筋(かいせんきn)」という腰椎の周りにいる筋肉がダメージを受けます。

急性の腰痛の中で最も多いと思われます。

 

6.内臓に由来する腰痛

卵巣のう腫や腹部大動脈瘤などがあると腰痛が起き、受診されることがあります。

また癌の骨転移が起こっても腰痛が起きます。

これらは命に関わる疾患ですので、検査で疑われた際には手遅れになる前に専門の病院での検査が必要になります。

 

7.心因性腰痛

心と体は密接な関係にあり「心身相関」(しんしんそうかん)などど表現されます。

精神的な問題があると腰痛に限らず様々な部分の体の痛みとして現われたり、少しの痛みを脳で誤変換して何倍にも感じてしまうことが知られています。

ただし裏を返せば、心が整えば痛みが少なくなるとも言えます。

 

レアな原因による腰痛もありますが、通常はこの7つの原因に分類して治療します。

(原因は1つとは限らず2つの原因がミックスされている場合もあります。)

また前回の受診からしばらくして来院された時には前の原因と思ってかかると痛い目に合う事もあります。

これらを問診や理学検査、神経学的検査、関節可動域、内科的な基礎疾患の有無などをトータルで診て判断します。